本と、お菓子のあるところ

そういうお店が近くにあれば毎日通うのに。

「和菓子のアン」

 ずっと気になった本。やっと読んだ。よかった。

 

文庫の裏表紙のあらすじには「美味しいお仕事ミステリー」と。

ジャンルとしては「日常ミステリー」ですかね。ん?「日常の謎」っていう呼び方のが正しい・・・のか?(ググった)

 

・・・日常ミステリーってなんでこんな人気あるんだろ?

って超失礼やな!!すいません。いや、私、そもそも日常ミステリーっていうジャンルがあるのすら知らなくて!つかミステリーも読んだの最近だし!(太田愛さんが初だった。ミステリ初めてやわってことに読み始めるまで気づかんかったけど。)

初めて読んだのはタレーランかな?

 

 

これはめっちゃ京都の地名とか出てくるのでおもしろかった。あと表紙が素敵。表紙のお姉さんのキャラが素敵。アップルパイおいしそう。

 

あと、これも日常ミステリーだな。

 

 これはおもしろかった!本屋さんの話だからあるあるも満載で(あるある過ぎて辛いとこもある)。

店長のキャラがいい(おんなじことばっか言ってるな)。

軽く読めるけどびっくりな仕掛けもあってすごい印象に残ってる。

 

私自身は、どっちかというと、日常系ならほのぼのに全振りしていただいた方が好みなんだよね。マカン・マランのシリーズとかさ。読んでほっこりして自分にも希望が持てる・・・みたいなのが大好き。別に謎解きとかなくても、って思ってしまう。ミステリはミステリで読むからって。

しかし!!日常ミステリは結構人気!点数も多い!どどっとじゃなくても割と売れる!・・・なんで??

 

お得感があるからかな?と思った。

ほっこりな物語ににひとさじのミステリ、っていうのがいいのかもしれない。普通に読むだけじゃなくて、推理する楽しみをくれる。

・・・あっそうか、私、読みながら自分で推理とかほぼしないから楽しさがわかりにくいのかも・・・!(推理しろよ)

 

「和菓子のアン」はそれプラス、和菓子の知識がつくのでますますお得感があります。見たことはあるけど深い意味まで知らなかった和菓子の説明とか出てくると、「そうなのか!」ってなる。食べたくなる。

 

手のひらに乗るほどの小さなお菓子。でもその意匠に隠された背景を知ることで、次々に扉が開かれる。

知りたい。私も目の前に開ける物語を自分で味わってみたい。不意にそんな欲求が自分の中にせり上がってきた。古典や歴史が死ぬほど苦手だった私だけど、今なら勉強してもいいかなと思う。

だってきっと、知ることで和菓子はもっともっとおいしくなる。

 

わかりすぎる。古典や歴史が苦手だったことまで一緒。アンちゃんいいキャラしてるわ(またそれかい)。

 

 

あと、和菓子は人生の様々な局面に寄り添う、という言葉にハッとした。洋菓子は主に喜びの席に似合うものだけど、和菓子は喜びの席はもちろん、悲しみの席にも添えられるんだ。

和菓子の奥深さを思い知った。次におはぎを食べるときは、ちょっと見方が変わっているだろうと思う。その分、おいしく味わえると思う。

 

続編「アンの青春」もぜひ読んでみたい。その次の「アンの愛情」もこないだ出たところだし・・・あれ?去年の10月?もうそんな経つのか・・・。

このシリーズ、タイトルはご存知「赤毛のアン」を下敷きにしているので、次は「アンの幸福」かな?それとも新潮文庫ver.にならって「アンの友達」?