本と、お菓子のあるところ

そういうお店が近くにあれば毎日通うのに。

「最高のアフタヌーンティーの作り方」

久々すぎる更新です。

 

最高のアフタヌーンティーの作り方 (単行本)

最高のアフタヌーンティーの作り方 (単行本)

  • 作者:古内 一絵
  • 発売日: 2021/04/19
  • メディア: 単行本
 

 大好きな「マカン・マラン」シリーズの作者、古内一絵さんの最新作!

また装丁が素敵すぎますね・・・。ふんわりイラストが表紙のマカン・マランシリーズとの違いもあってそこもいい(えらそうやな)。

 

ホテルのアフタヌーンティーって行ったことありますか?私はありません!正直ず~~~っと、10代の頃からず~~~~~~っと憧れているけど未だに行ったことありません!もう大人なんやし一応働いているんだからそろそろ行ってもいいだろうと思うんですけども、やっぱりあのお値段にめちゃくちゃひるんでしまう・・・。それと、勇気を出して行ったところで恥をかいちゃうのでは!?っていう恐怖もある。まわりのマダムたちからめちゃめちゃ浮くんやないか、とか。サービスの人から「何しに来たん?」みたいに思われたらどうしよう、とか・・・!そんなことないって頭ではわかっていても・・・!!

 

でもですね、この本を読んで、やっぱり勇気を出して行ってみようと思いました。

いずれ(タイミング悪いな~。ワクチン打ててからとかやったらいつになるんや?)。

 

「一流ホテルのアフタヌーンティー」なんて聞くと、自分とはずいぶん遠い世界に感じてしまう。そこに集まる人は皆、優雅で余裕がありそうだ。訪れる人はもちろん、働いている人だってきっとキラキラ素敵に見える・・・。
でも、外からどんな風に見えていても、悩んだり苦しんだりは当たり前にあるんだな、そういうところは自分(書店でバタバタと、全く優雅じゃなく働く自分)と同じなんだな、と気づかされた。

 

・・・本当に当たり前なんですけどね。すぐ忘れがち。自分とは違う世界だと思いがち。

 

働く人ならグサグサ来てしまうポイント、たくさんあります。

一生懸命やっているのに全く報われなかったり。自分ではどうしようもないことで同僚との間に深い溝ができたり。

厳しい現実。それを甘いお菓子と紅茶に助けてもらうように、読み進めました。

 

「人が生きていくのは苦いもんだ。だからこそ、甘いもんが必要なんだ。」

 

私も昔パティシエとして働いていた頃、悩むことがありました。

生きていくのに必要ではない、嗜好品である「お菓子」。そもそも余裕のある人にしか対象にしていない職業って、それでいいんだろうか?って。特に大きな事故や災害が起こった後だと、無力感がすごかった。本当に困っている人のために、何もできないのに、こんな仕事をしていていいんだろうか?って。

 

でも、この小説に・・・達也さんに救われました。もう私はとっくにパティシエじゃないけど、勝手に救われました。喜んでくれる人のためにお菓子はあるんだって。そりゃお医者さんとかみたいに直接困っている人の手助けができるわけじゃないけど、お菓子で喜んでくれる人はいる。その人たちに作ればいいんだ、って。

 

 

涼音、達也、他にもたくさんの人たち(お客様も!)が、「最高のアフタヌーンティー」とはどんなものなのかを、考えて、悩んで、作っていく。

まさかの「マカン・マラン」からの登場人物もいたりして、ビックリ&うれしい!!


是非、おいしい紅茶を用意して読んでみて下さい(絶対!飲みたくなるので)。